2023.09.30/歴史・文化

技と伝統が織りなす「村山大島紬」

村山大島紬は江戸時代の中期に創り出されたと言われており、その後、村山大島紬が生産の中心となったのが1920年代。

独特の手織機を用いて織り上げられた村山大島絣は、正絹板締め絣織物で経緯の絣糸を巧みに染め分けて織り出されており、精繊をきわめ、奥ゆかしい民芸の地風をもち、しかも表裏がないという特徴を持っています。

村山大島紬の最大の特徴は板締め注入染色法という独自の技術で染められた絣糸を用いることです。極めて精巧な技術を用いて板掘りされることによって繊細な絣模様が生み出されます。村山大島紬はこのようにして伝統の技術を忠実に守り、気の遠くなるような手間と時間をかけて創られます。すべての過程が手作業で行われ、他に類をみない精密な織物です。

”着る人の心を織りなす”優雅な味わいが村山大島紬の魅力です。

昭和42年3月、東京都指定技術工芸品の指定。昭和50年2月通産省大臣指定伝統工芸品として指定。

村山織物協同組合事務所の中にある、織物資料室では村山大島紬の製造工程や年代別反物の展示などを自由に見学することができます。小物等の販売もしています。